心理面接について

当オフィスでは、基本的には週に1回~3回(1回あたり45分間)の精神分析的な心理面接をご提供しております。ご希望によっては精神分析の設定での面接を行うことも検討いたします。

 

このページでは、心理面接について、いくつかの項目に分けて少し詳しくご説明しております。以下、私見を含むやや長い文章となりますが、ご利用をご検討の方のご参考になればと思います。


精神分析

 

精神分析は、ウィーンの医師フロイトによって考え出された「こころについての理論」であり、「こころにまつわる様々な問題に対する臨床実践」です。「ものの感じ方や考え方、こころにまつわる様々な問題は、その人のこころの中にある無意識の部分から大きく影響を受けている」という人間観を背景としていることが、一つの大きな特徴であるといえます。

 

精神分析というと、「カウチに横になり、こころに思い浮かんでくることを何でも自由に話す」という独特のやり方(自由連想)によって行う面接に、「1回あたり45分間(または50分間)」、曜日と時間を固定した一定の枠組みの中で「週に4回以上」取り組むものを指します。


精神分析的な心理面接

 

一方、精神分析的な心理面接という場合、週のうちに面接に取り組む回数が精神分析よりも少なくなります。日本では「カウチに横になり(または椅子に座り)、こころに思い浮かんでくることを何でも自由に話す」というやり方によって「週に1回」の面接を行うことが多いようです。


セラピストが行うこと

 

こうした面接に取り組んでいくと、面接を受ける人(以下、クライエント)と面接を提供する人(以下、セラピスト)との間には、次第に濃厚な関係性が立ち現われてくるものです。そこにはおのずからクライエントの「無意識」の部分の特徴も色濃く現われ出てきます。

 

セラピストはクライエントが語る内容だけでなく、クライエントとセラピストとの間に立ち現われてくる関係性、クライエントが意識的または無意識的に面接室内に持ち込むものごと全体に思いを馳せていきます。そして、そうした中からクライエントについて理解したことを、言葉にしてお伝えしていきます。


クライエントが行うこと

 

クライエントは、面接の中で「こころに思い浮かんでくることを何でも自由に話す」ということを行っていきます。話をしながら、クライエント自身様々なことを考え、感じ、気づきを得るでしょう。また、セラピストとの間に立ち現われてくる関係性を直に体験することを通しても、自らの様々な特徴に気がついていくでしょう。

 

さらに、セラピストから言葉で伝え返される自分自身についての理解を受け取り、考えることを通して、それまでは意識していなかった自らの考えや情緒をより深く捉えることができるようになっていくことでしょう。


面接を通して見えてくること

 

こころにまつわる様々な問題は、現実の自分を知るこころの痛みから目を背けるために引き起こされていることも多いものです。そうした問題を手放していくためには、それまで目を背けていた現実の自分に目を向けていく必要があります。

 

面接を通して思わぬ考えや情緒を抱いている現実の自分に目を向けていくことには、こころの痛みが伴うこともあるでしょう。例えば、「思いのほか自分本位な考え方をする自分」に気がつくかもしれません。また例えば、「愛する者を思いのほか憎んでもいる自分」を知るかもしれません。しかし、もしも現実の自分がそうであるのなら、やはりその自分に目を向け、受け止めることでこそ、「ではそこからどうするか」と問題の解決に向けて建設的に考えていくことができるようになるのではないかと思います。